使用されている木材

構造を支える木材
渡邉邸の建築を支えるためには、 強度が高く、湿気や虫害に強い木材 が選ばれました。
日本建築の技術と知恵が生かされた素材が、今日もその堅牢な構造を維持しています。
■ ケヤキ(欅)——骨格を支える最強の木材
使用箇所:梁・柱
特徴:
高い耐久性と硬度を誇り、建物の骨組みを強固に支える
200年以上経過しても狂いが少なく、強度を維持
美しい木目が特徴で、年月を経るごとに風格を増す
ケヤキの太く力強い梁が、 釘を使わずに組み上げられた木組み構造 を支え、渡邉邸の壮大な空間を実現しています。
■ スギ(杉)——屋根と壁を守る日本の代表木材
使用箇所:屋根(石置木羽葺)、壁材
特徴:
軽量ながら柔軟性があり、地震や強風にも耐える
調湿機能に優れ、湿気の多い地域でも安定した性能を発揮
香りには抗菌・防虫効果があり、建材としての適性が高い
杉の板を何層にも重ねた 石置木羽葺屋根 は、 冬の豪雪や強風から建物を守る重要な役割 を果たしています。
美を演出する木材
渡邉邸の建築は、 構造の強さだけでなく、装飾の美しさにもこだわり が詰まっています。
特に、 木目や色合いが美しい木材 を用いることで、空間に優雅な雰囲気をもたらしています。
■ ヒノキ(檜)——高貴な香りと滑らかな質感
使用箇所:座敷・天井・障子の枠
特徴:
美しい木目と淡い色合いが、上品な空間を演出
香りにはリラックス効果があり、室内を快適に保つ
耐水性・耐腐食性に優れ、長寿命な建築素材
ヒノキは、日本建築において 格式の高い建物に使用される木材 であり、渡邉邸の座敷にはその伝統が息づいています。
■ クスノキ(楠)——装飾と調湿の役割を担う
使用箇所:欄間・床柱・襖の縁
特徴:
硬く加工しやすいため、精巧な彫刻に適している
湿気を調整する性質があり、室内の快適さを保つ
防虫効果があり、長期間にわたって木の美しさを維持
渡邉邸の 欄間(らんま) には、職人による精緻な彫刻が施されており、その美しさは 自然光と影が織りなす芸術作品 のようです。